0.5ミリのせめぎ合い

ギリギリのところをツルツルに磨いています。
ここより浅くてもダメ、深くてもダメです。
淡いピンクの部分が皮膚と同じ角化上皮、毛細血管に富む赤い部分が粘膜と同じ非角化上皮、この1ミリいや、0.5ミリの攻めぎ合いを僅かなぶれも許さず施術するには、マイクロスコープ拡大明視野下で行える環境が求められます。
手先が少しでもぶれると磨いている部分が凸凹波打つのです。そうすると綺麗な歯型が採れないので、綺麗な修復物が作製できないとなるわけです。
ではその手先がぶれないようにするためのポイントは?
そう、単純なことですが、切削器具を持つ手をしっかり把持し、固定する(レストを取る)ことが肝要となります。
さらにこの細い棒(切削用バー)の先端を自在にコントロールし、歯面に当てる圧力や角度に意識を集中することが必要です。
そのためには??
そう、片手ではなく、両手が必要となるのです。
ある程度以上の結果を目指そうとするに、ミラー片手には出来ない領域もあるということは確かだと感じています。
単に末期的に見える歯を抜かずに救うだけでなく、見た目に美しくまたしっかり美味しいお食事が安心してとれるように。審美と機能のバランスを重視した救歯臨床を日々心掛けています。
※この記事は主として医療従事者向けのインフォメーションとなります。
※これらすべての臨床写真はこのような保存治療の普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。