精密根管治療とは?

「精密」という言葉が付くのは、現代の根管治療が顕微鏡やマイクロCTスキャン、特殊な器具などを使用して非常に精密に行われるようになってきていることを反映しています。
英語では “Microscopic Endodontics”(顕微鏡下根管治療)や “Precision Endodontics”(精密根管治療)という表現が使われています。
しかし、そういった文明の力を駆使すれば、必ずいい結果が出るということではありません。精密に行うということと、その結果を成功裏に導くということは異なるからです。
この画像は歯根の内部、根管壁を歯肉縁から20ミリ近くも尖端方向を覗いているところです。
患者さんはこの亀裂が原因で長年にわたり噛むと痛みが走り、食事することが億劫になっておられました。毎日のことですので、大変なストレスですね。
亀裂のさらに奥に、もともとの根尖孔があります。今まで幾度となく受けてこられた歯科治療では、根尖孔周囲はとてもきれいに消毒がされていたのですが、残念ながらこの亀裂が見落とされ、症状が消えることがありませんでした。
当院でこの亀裂部分を消毒、補修を行ってから、幸いにもお辛かった症状がぴたっと止まり、今では固いものでも気にせず食べられるようになったと大変喜んでいただきました。
このせっかくの精密根管治療を、成功裏に終えるために何が必要とされるのか。
多くのご質問をいただくポイントです。
また私なりの考えを纏めまして、この場で皆さんに共有できるよう準備してまいります。
※この記事は主として医療従事者向けのインフォメーションとなります。
※これらすべての臨床写真はこのような保存治療の普及のため、患者さんに掲出の同意を得ております。