銀歯の奥の虫歯を抜歯せずに治療したセラミックによる審美歯科-
メタルフリー専門20年の審美歯科
梅田のナチュラルクリニック大阪

食事のとき痛くて噛み切れないというお悩みで来院されました。診察すると奥歯にある銀歯の隙間から虫歯が進んでおり、大きな穴が開いていました。さらに診察を進めると歯茎がぷくっと膨れています。この部分を手で抑えると白い膿が出てくるのがわかりました。

レントゲン写真では、この膿の袋の部分がよくあらわれています。根の下の黒くなって、歯の周囲の歯槽骨が溶かされているところです。

赤い線で囲まれた根の部分に細菌の感染がありどんどん拡がっています。歯の上部から進行した虫歯（青い線で囲まれた部分）も相当深いため、ほとんど末期の状態です。何件か歯科医院を廻られたそうですが、何れの歯科もこの歯は抜歯が必要だと言われたそうです。

虫歯菌が潜んでいる唾液が周囲の歯に感染しないようゴム状のシートで囲み、さらに樹脂で虫歯菌を封鎖します。これは歯の内のどこにヒビが入っているかわからないためです。詰めてあった銀歯を外すと予想通り歯の内部は虫歯が大きく進行していました。こうした茶色く湿った虫歯はとても軟らかく、その進行の速度も通常とても早いのです。

細心の注意を払って虫歯で脆くなった歯に横穴を開けないよう、慎重に丁寧に少しづつ虫歯を削りとります。歯質の変色している部分はありましたが、虫歯菌に感染している軟らかい部分をすべて取り除くことができ、歯の上からの崩壊がこれ以上進まないよう防ぎます。

続いて歯の根の下に潜む病変に根管治療をおこないます。虫歯菌に感染している歯をマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用って丁寧に取り除いていきます。従来から消毒に用いられている水酸化カルシウムなどの薬剤に加え、写真にあります(独)カボ社製ヒールオゾンを使って内部の除菌を徹底的に行います。

根の内部に数カ所ヒビが入っているのが見つかりました。根の周囲の歯槽骨が吸収を起し、歯がグラグラ動いていたのです。同様にマイクロスコープを使って、歯の内部を20倍以上に拡大して明るく見やすい環境で丁寧に歯のヒビを補修します。修復に使用する材料も歯とからだに優しいものを使い歯周組織の再生治癒を促進します。

さらに虫歯が歯ぐきの下の方まで進行していたため、このままセラミックを被せるとその深い部分で歯ぐきの炎症を引き起こす可能性があります。そこでこれを防ぐ為に虫歯だった部分を歯茎の上の方にまで引き上げる必要がありました。

ナチュラルクリニック大阪ではこういった場合、患者さんにできるだけ負担の少ない部分的な矯正装置を一時的に使うことで対応します。

末期的な歯の状態でしたが、基本に忠実な虫歯治癒、根管治療、歯周病治療、そして矯正治療などを丁寧におこなって歯を残すことができました。歯のほっぺた側にプクっと膨れていた膿はなくなり、すっきり歯磨きもしやすい形に治っています。

レントゲンでも、歯の根の周囲の骨が黒く溶かされていた部分に新たな歯槽骨が再生しています。ヒビが入っていたところも新たな感染は認められません。

矯正治療で歯を上方へ引っ張り上がることができたため、セラミッククラウンが歯ぐきの治りを邪魔することもなく、歯周組織は安定しています。他医院で抜歯と宣告され諦めていた歯を残すことができ、患者さんに大変喜んで頂くことができました。

治療後の状態です。 歯ぐきや歯を支える骨も大変安定して、しっかり噛んで咀嚼できるようになりました。今後も患者さんと二人三脚、定期的にかみ合わせ、清掃性のチェックを行ってまいります。